町全体を美術館ととらえてみる:砂浜美術館のフィールドワーク

町全体を美術館ととらえてみる:砂浜美術館のフィールドワーク

地域全体を学びのフィールドに

長さ4kmの砂浜を頭の中で美術館に見立てた「砂浜美術館」。その視点でまちの中を改めて見渡してみると…。砂浜以外にもたくさんの宝物が見えてきます。そして、このまちの歴史や文化、生活の中にも、私たちが学べることがたくさんあることに気がつきます。

地域には様々な課題があります。「若い人が少なくなった」「地域になかなか仕事がない」といった声は最近特によくきかれる言葉です。でも、それだけにチャンスもたくさんあるといえるでしょう。「地域資源を活用しながら、様々な切り口で町を元気にしていく」という視点や体験は、学生の皆様にとって、これからどのようなフィールドで仕事をしていくにしても、大きな経験になることと思います。

砂浜美術館の考え方やコンセプト、それをもとにした事業の取組みを学ぶとともに、「町全体を美術館」ととらえて、地場産業の生産現場の見学などを通じた地域の人々との交流、そして海・山・川での体験プログラムなど、学生の皆様の学びのフィールドとして、活用していただけます。

具体的な内容についてご紹介いたします。


①講義

↑(上)砂浜美術館のコンセプトや取組みを知る、(下)地域の天日塩生産者の話を聞き、その思いや考え方を知る

講義では、1989年から始まる砂浜美術館のコンセプトや組織の変遷、現在の取組みにいたるまで、様々な切り口で紹介します。地域におけるNPOの役割についてもお話します。

また地域の様々な分野の方々も講師としてお招きし、仕事に携わる思いや考え方をご紹介頂き、交流を深めていただきます。

②フィールドワーク

塩屋の浜でのビーチコーミング)

↑塩屋の浜でのビーチコーミング

「百聞は一見にしかず」。五感をフルに発揮して、体中で地域での取組みを感じてもらいます。砂浜美術館のメインフィールドである入野の浜や塩屋の浜を歩きながら、流れつく漂流物を拾い集めたり、鳥が砂浜につけた足跡を辿ってみたり。「あっ、これが美術館の作品なんだ!」と実感できる瞬間です。

また砂浜美術館での体験のみならず、黒潮町内には様々な体験プログラムがあります。かつおの一本釣り文化をもつ黒潮町佐賀地区では「かつおのたたきづくり体験」ができます。現役漁師さんと、一緒にカツオをさばいてたたきにする。そして一本釣り漁の話やカツオ文化についても知ることで、漁師町ならではの営みを体感することができます。

黒潮町でできる体験プログラムについては、「すなび旅行」をご参照ください。

ホエールウォッチング かつおの藁焼きたたきづくり体験

③ワークショップ

フィールドワークの経験をもとに課題解決のワークショップ

↑フィールドワークの経験をもとに課題解決のワークショップ

体験したことや話を聞いたことを踏まえて、地域の課題を解決していく方法や、特色をいかし町の個性を伸ばす方策についてなど、学びのテーマに応じて、学生の皆様の視点で議論した後、最後に全体で共有します。

お互いが地域の価値を発見する場

学生のみなさんの視点で、気づいたことを発言してもらうことは、住んでいる人にとっては新しい発見の場でもあります。普段当たり前に見ている風景や、生活の中に、地域にとってのたくさんの宝物があることでしょう。

砂浜美術館のフィールドワークは、訪れる人たちとここに住む人たち、お互いが地域の価値を発見する学びの場でもあります。


さまざまなケースに対応しています

砂浜美術館のフィールドワークは、ここまで紹介してきた講義や、ワークショップ、体験プログラム等を軸に、それぞれの場合に応じてプログラムをお作りし提供します。同じ素材でも、学部の専門性に応じたアプローチで、より効果が期待できるフィールドワークを提供しています。

滞在中の宿泊・食事や会場手配、また体験プログラム等の予約も一括して承ります。その他、プログラム内容についてご要望がありましたら、なんでもご相談ください。